クリーンなイメージへ
競艇は女性や若い人、初心者が利用しやすいクリーンなイメージがどんどん浸透しています。
ボートレース場に行った経験があり、15年以上遠ざかっている人は、今ボートレース場に行くと雰囲気の違いに驚くと思います。
人間はその場所の環境に順応しやすいものです。
禁煙区域でもタバコを吸っている人がたくさんいれば、タバコを吸う人がどんどん増えますし、ゴミが一つも落ちていない場所では、ポイ捨てをする人が少なくなります。
ボートレース場は、ゴミ捨てや喫煙場所以外の喫煙など一部でルール違反は残っていますが、一昔前には考えられなかったような雰囲気に変わってきています。
場内や観覧席も明るい雰囲気に改装されて客層も変化してきました。
環境の変化によって、醜いヤジを選手に叫ぶ常連客も少なくなっていて、アウトローな雰囲気はすっかりなくなっています。
それでも、一度ついた悪いイメージを払拭するのは困難です。
そこで競艇は南明奈や渡辺直美など若者や女性から人気の高いタレントを起用して今まで以上にテレビCMを強化し、ファミリーやカップル、若者を取り込む魅力的なイベントを多数開催して、舟券を買うだけではなくボートレース場に足を運んでもらう取り組みを行っています。
昨今はSNSの普及によって、来場客からの拡散効果が大きいです。
お金を使わず魅力的なイベントを楽しめて、ボートレース場の名物料理を味わえる。さらには混雑もなく優雅な休日を過ごせればポジティブな投稿をする人が多く、ボートレース場は穴場の狙い目スポットという印象が根付いていきます。
利用者数は毎年過去最高を更新
競艇の総利用者数を統計を取り始めたのは平成3年からで、当時は年間約4,500万人でした。
それが平成29年度ではネット投票の普及もあり2億9,000万人まで規模を拡大しています。
毎年のように過去最高記録を更新していて、競艇の認知度はここ数年で急激に高まっています。
一方、競艇場の入場者数は昭和50年の4,500万人から大幅に減って現在は850万人前後です。
運営はボートレース場に来場してもらう取り組みを引き続き強化していて、多彩なイベントを用意したり、施設を改装するなどして使いやすい環境を整備しています。
また、1人あたりの平均購入額は平成3年のピークで約4万8千円だったのに対して、最新データでは10分の1以下の4,500円程度に落ちています。
生活に大きな影響を与えるギャンブルではなく、負けてもいいくらいの気持ちで適度に賭け事を楽しむ人が普及して、場内でトラブルを起こすケースも減っています。
また業界のプロモーション活動にも力をいれており、有名な芸能人を起用していることもイメージ回復に繋がっています。
今後の課題
競艇がクリーンなイメージになったのは、ネットを中心にした情報の普及で、大儲けを狙うギャンブルではなく、楽しむためのギャンブルだと浸透したことがあります。
YouTuberを使ったPR動画でも、たまにビギナーズラックで的中することがあっても、1日勝負すると大体負けています。
競艇は6艇なので簡単に勝てそうなイメージがありますが、収支をプラスにするのは意外なほど難しいものです。
その結果、競艇場に足を運んでイベントは楽しむけど、舟券は外れて損をするのでリピートや次回来た時には舟券を買わないという人が増えています。
競艇は予想に独自のコツがあり、適当な予想では儲からない一方で、ペラの状態を見極める目利き力など一定のスキルがあれば勝つチャンスが大きいギャンブルです。
イベントなしで頻繁に通う常連客を増やすには、ボートレース場に足を運ぶことだけではなく、予想するコツや醍醐味をもっと広めて、舟券は買うと損するイメージを払拭させないといけません。